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暮らしの教室特別教室@okeba「瀧下嘉弘氏 古民家移築学」レポ☆

本日は、10月18日(土)に開催されました瀧下嘉弘氏による「古民家移築学」のレポートです。

こちらの特別教室は、今年の2月に開催予定だった講演で、雪の影響で開催することができませんでした。が、人気の講座だったため、今回再開催が決定いたした講座です。

今回も満員御礼。沢山の皆様にご参加いただきありがとうございました。


まず、はじめに熊澤酒造敷地内にopenした新モキチ・トラットリアの古民家移築の様子をスライドショーでご覧頂ながら、もともとどのような建物だったのか?移築までの流れなどを、熊澤酒造社長、熊澤茂吉に説明していただきました。



大きな柱を解体していく作業から、木材が使えるかどうかの調査、材を保管しておく場所まで、実際に移築してくるまでにも様々な工程があるんですね。
中には、祭壇があったり、今ではとても貴重ものまで眠っています。これを今後どう活かして行くかもいろいろ考えているそうです。

今回移築された古民家(新モキチ・トラットリア)は、今年5月に素晴らしい空間で蘇りました。
熊澤酒造にお越しの際は、是非ご利用していただきたいです。

新モキチ・トラットリアはこちら



そして、いよいよ建築家 瀧下嘉弘氏を招いて、古民家移築学の講座が始まりました。
国内外で多くの古民家再生を数多く手がけてきました瀧下さんが、これまでの経験や体験をふまえて写真とともに、古民家の魅力や特徴について語って下さいました。
オアフ島、南半球のブエノスアイレスまで、本当に世界中に瀧下さんの手がけた古民家があるそうです。


解体作業のヒトコマ。解体した古材はトラックなどを使って材料を運ぶわけですが、場所によっては、道が狭い大変な場所だったりもします。その時は、1本1本現場に運ぶようなこともするそうです。


解体して集められた古材は、これからい移築したときに、100年200年使える木かどうか調べます。
見ただけでは、わからないので、金槌でたたくそうです。
虫が食っていないか、音で分かるそうです。

使えないところを切り取って、短い素材でつかったり、古材は最大限に使います。
もう使えない素材は、山に返すそうです。そうすると、何十年、何百年すると、土に返り、また新たな木の肥やしになります。こうして無駄なく循環していくわけです。

その他、日本の歴史や風土などから見る家づくりの特徴など、様々な観点から今見直されている古民家の魅力、これからについても語って下さいました。

最後は、質疑応答でしたが、すでに古民家に住まわれている方、またこれから移築を考えている方などいろんな方が参加されていたので、いろいろな疑問や質問が出ていました。

私たちのこれからの暮らしを考える貴重な時間となりました。
瀧下さん、大変貴重なお時間を頂戴しご講義頂きましてありがとうございました。


【Profile】
瀧下嘉弘(Yoshihiro Takishita)
1945年岐阜生まれ。
1967 早稲田大学法学部卒業。在学中、古民家がダム建設で湖底に沈む事を知り移築する。
その後、世界36カ国を巡る。帰国後、骨美術商を始める一方、建築家として古民家の移築保存に情熱を注ぎ、
これまで35軒(4件は海外)を設計施工。
1976 ハウス オブ アンテイックス(有)設立、代表取締役社長
2006年 NPO法人日本古民家保存協会  理事長
著書:「民家移築」2002 講談社インターナショナル
記事: Architectural Digest 日経新聞、毎日新聞、ウォールストリート紙、NYタイムズ 、ANA翼の王国 他
出演: NHK TV 2004年7月1日 生活ほっとモーニング、ほっと10時台 「魅力再発見!古民家」
NHK BS-1 2003年6月20日、Weekend Japanology、NHKラジオ「こころの時代」「日曜喫茶」、「 ラジオ深夜便」他
講演:ハーバード大学 、プレスクラブ、CWAJ、Colby College 、New York日本協会,  Boston日本協会、大妻女子大学 他
受賞:2013年 Cultural Distinction Award (ボストン日本協会)

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staff湯川